信州上田、〈シアター〉と〈ゲストハウス〉を備えた
街中の文化施設

〜自分の外側にあるものと出会う場所〜

「犀の角(さいのつの)」は、上田市の中心地・海野町商店街の一角にあり、
劇場設備とカフェを持つ〈シアター〉と簡易宿泊施設の〈ゲストハウス〉からなる民間の文化施設です。
街の小さな銀行だった高い天井の建物に、舞台照明のバトンを張り巡らせた劇空間と、
城下町の息遣いを感じることができる小さなゲストハウス。
ここは演劇や音楽、アート作品などを鑑賞しながら、訪れた市域住民、
アーティストやバックパッカーが相互に交流することができる街に開かれた非日常空間です。
中心商店街に、アーティストやバックパッカーによって多様な価値観や身体が持ち込まれる。
地域を活性化していくには、流行を追いかけ、モノを消費するばかりでなく、
優れた芸術作品や価値観の異なる他者、あるいは自分の外側にあるものと出会うことが必要だと考えます。
立ち止まり、考え、自分が信じてきた世界を一度疑ってみる。そんな未知なる世界との出会いが「犀の角」で生まれ、
新しい価値が創られ、上田から発信されていく。そんな場にしていきたいと考えています。どうぞおでかけください。

犀の角/一般社団法人シアター&アーツうえだ 代表理事 荒井洋文

犀の角のようにただ独り歩め
Walk alone like a rhinoceros.
「ブッダのことばースッタニパータ」第1蛇の章より

鎧のように硬い皮膚で身を包み角を立てて生きる犀の姿に、めまぐるしい日常を個々の自我や感性と共に一生懸命生きる現代人を重ね合わせ、多種多様な人々がそれぞれの感性を持ち寄り、集い交流する文化拠点として「犀の角」(さいのつの)と名付けました。

出会い・交流の場としての「犀の角」

変な人でも住みやすい街に
犀の角が存在することで、様々な価値観、趣味、思考、身体的特徴を持った人間が街中に居ることができ、それぞれに出会い、交流している元気な街になることを願っています。

劇場としての「犀の角」

「観る」
舞台芸術作品の紹介、地域演劇人への支援、アーティスト同士の出会いと交流を目的として2016年から開催している「上田街中演劇祭」や、主催公演等を通して、優れた舞台芸術作品の鑑賞機会を提供しています。
「創る」
犀の角には劇場のみならず、稽古場として使えるスタジオや叩き場、宿泊施設など、アーティストインレジデンス(滞在制作)が可能な施設が整っています。
「出会う/交流する」
劇場にカフェとゲストハウスが併設されていることによって、アーティスト同士が出会う、アーティストと地域住民が出会う、地域住民同士が出会う、旅人とアーティストが出会うことが可能となります。犀の角で起こる偶然の出会いが、次の作品創作につながり、また若者の人生を変えることもあります。このような出会いと交流を犀の角は大切にしています。
「裾野を広げる」
都市部に比べて演劇人口が圧倒的に少ない地方都市上田にあって、演劇に興味関心を持つ人を増やすことは、演劇文化を継承していくためにも犀の角として最も重要なミッションのひとつと捉えています。ソロアーティストのためのオムニバスイベント「犀の夜」や、舞台俳優が落語に挑戦する「犀の寄席」など様々な企画を通して、新たな才能の発掘に努めます。