抗原劇場「おふくろ」 居間と演劇 Vol.1
コロナ後の世界へ向けて、古典戯曲を読み直す「居間と演劇」シリーズ
「居間と演劇」シリーズでは、誰かの家の「居間」を描いた演劇作品を取り上げます。世界各国の演劇でこれまで「居間」がどのように描かれてきたかを再検討することで、コロナ後の世界で私たちがどのように他者と共存していくのか。感染症によって、およそ100年ぶりに、人生のあらゆる出来事が私たち一人一人の「居間」に入り込むことになった時代に、古典的な戯曲たちを新たな意味と共にお送りします。
キャスト
大谷莉々(抗原劇場)
塗塀一海(抗原劇場)
河原舞
日時
2022年12月
9日(金)19時
10日(土)19時
11日(日)14時
※開場は開演の30分前/全席自由
場所
犀の角
〒386-0012 上田市中央2丁目11-20
http://sainotsuno.org
北陸新幹線・しなの鉄道別所線「上田駅」より徒歩10分
犀の角の駐車場はご利用いただけません。近隣の駐車場をご利用ください。
尚、海野町パークは工事中(8/22~12/20)のためご利用いただけません。
チケット(予約・当日共)
一般 3,000円
U-25 2,500円
U-18 1,000円
※U-25、U-18は25歳、18歳以下の方に適用される料金です。当日受付にて年齢がわかるものをご提示ください。
チケット取り扱い
Peatix
チケットはPeatixで販売いたします。下記URLよりご購入ください。
https://ima-engeki01.peatix.com
演出家からのメッセージ
ちょうど100年ほど前までの演劇史上のある時代、主要な作品はほとんど一様に、誰かの家の「居間」を描いたものでした。社会の最小単位である家族にとって、「居間」は広場であり、議場だといえます。その後、我々を取り巻くメディア環境や社会生活が多様化し、もはや「居間」を通して描かれ得るのは人間生活の一部に過ぎず、演劇には他に描くべきものがあるはずだと、多くの人が考えるようになり、居間を描く風習は少しずつ廃れていきました。
しかし、コロナ禍によって、ほとんど100年ぶりに、文明生活のあらゆる機能が「居間」に集約されることになりました。これまで家庭の外に追い出していた「労働」とか、反対に、それぞれの部屋に閉じこもり、食卓を囲むことを避けることで回避されていたプライベートな葛藤も、「居間」という空間に等しく持ち込まれた。ロックダウン下では「居間を共有する者」との接触だけが公に認められました。各国でDVは増加し、家庭内の政治的分断や性、年齢などによる社会的格差は未だかつてないほど可視化され、いわば、社会における不均衡が全て居間に顕現したといえます。
「居間」における人間のやり取りが演劇の主要なモチーフであった最後の時代、1900年台初頭もまた、世界的なパンデミックと、民主主義の危機の時代でした。コロナ後の世界でどう他者と生きるか。「居間と演劇」シリーズでは、かつて世界中の演劇が「居間」をどのように描いたかを考えることを通して、その可能性を問いたいと考えています。
劇団プロフィール
抗原劇場
東京近郊と、長野県松本市の2拠点で活動する劇団。
2018年に、演出家/ドラマトゥルク山田カイルのソロユニットとして活動開始。その後、2019年に新たにメンバーを迎え、現体制となる。現在、俳優として甘井飴子、大谷莉々、塗塀一海が所属。近作に、翻訳する身体のディストーションをダンスと仮面劇に昇華した『後ほどの憑依(TransLater)』(2015/2020)、3カ国で活動する7人の作家が現代アメリカについて執筆したテクストを元に創作した『NOT IN KANSAS』(2019)、ブラッドベリの小説に着想を得たアートプロジェクト『華氏同盟』(2021)など。
クレジット
舞台監督:守山真利恵
照明:伊藤茶色(合同会社犀の角)
音響・映像:山田カイル
企画制作:抗原劇場
主催:上田街中演劇祭実行委員会
お問い合わせ
犀の角
0268-71-5221(月曜日定休・7:30~10:00/16:00~21:30)