芸術選奨文部科学大臣賞受賞のご報告
この度、私、荒井洋文は令和5年度(第74回)芸術選奨芸術振興部門において文部科学大臣賞を受賞いたしましたので、ここにご報告いたします。受賞対象に「文化施設『犀の角』の活動の成果として」とあります。2016年の設立からこれまで、犀の角の活動を支え、ご協力をいただいたすべてのみなさまに感謝申し上げるとともに、みなさまとこの喜びを分かち合いたいと思います。
地域の民間劇場の活動に対して本賞が贈られることは稀なことと聞いております。贈賞理由として「『未来の劇場』の可能性を示唆する」と評価いただいたように、犀の角はこれまで、演劇だけでなく、地域のNPO団体やさまざまな個人と連携し、生き辛さや困りごとを抱えた人たちの居場所を作るなど、これまでの劇場の価値観や枠組みを捉え直す活動を模索してきました。こうした、ささやかで地道な地域の民間劇場の取り組みを高く評価していただいたことは、文化芸術の担い手に対する社会の評価や指標が多様化していることの現れであると感じています。同時に、受け手も多様化し、芸術を必要とするすべての人々が享受できる時代になりつつあるのだと思います。選考に関わられたみなさまにも心より感謝申し上げます。
また、今回の受賞は、同じように地方都市で文化芸術に関わる人たちにとっても希望になるものと思います。これを機に、東京一局ではない、多様な文化芸術のあり様が、益々全国の地域社会に広がっていくことを期待しています。
今後も犀の角と犀の角に関わる「変な人たち」のユニークな活動にご注目いただき、引き続き応援してくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
2024年3月
犀の角代表 荒井洋文