【報告】2017/2/4 Sat. 15:00~ 犀の俳優寄席
2017年2月4日(土)15時 犀の俳優寄席
清水泰紀(長野市) 『だくだく』
林正弥(辰野町)『まんじゅうこわい』
二口大学(ゲスト・京都市)『試し酒』
メトロ=サスケ(佐久市)『初天神』
島崎美樹(長野市)『お見立て』
中牧浩一郎(長野市)『うどん屋』
多くの方にご来場いただき、おかげさまで満席で幕を開けることができました。着物を着てご来場いただいた方もちらほらといらっしゃり、2月とはいえ華やいだ新春寄席らしい雰囲気に。
企画が正式に立ち上がったのが昨年の12月半ば。わずかな準備期間のなかで手探りで落語を組み立ててきた出演者・スタッフには感謝の気持ちを伝えたい。ゲストでご出演いただいた二口大学さんは病気療養があり長いブランクを経ての舞台。再び舞台に上がる姿を見ることができて、このうえない喜びでした。
毎日寄席にあがっている噺家さんのそれと比べれば足元にもおよばなかったとは思います。が、笑いも思った以上に起きていて、寄席としてなんとか成立したと思います。師匠につかず、古典落語の台本や映像資料から俳優がひとりで組み立てる落語をご覧になり、どんなことをお感じになったか、ゆっくりと感想をお聞きしたいところです。企画側としては、噺家の落語と俳優の落語はどこが違うのか。「芝居」と「語り」は何が違うのか、考えるべきポイントがいくつか浮かびあがりました。今後も時間をかけて追い求めていきたいテーマです。
そんななかで印象的だったのは、俳優たちをお客さんがあたたかく見守ってくださったこと。おそらく本来の寄席とは違うものだということを認識しながらも、どう見たらよいかをお客さんも手探りで演者との接点をみつけてくださっていたのでしょう。客席の後ろからそんな気配を感じていました。出演者の家族とか友人ではない、純粋なお客様も多かったなかで、こうした反応があったことは上田の懐の深さを感じました。
落語は噺家と客席が直接的に関わるなかで成立します。その関わりの大きさは現代演劇よりも大きいと感じます。俳優と観客が直接やりとりする場が上田に生れたことはとてもうれしい。お客さまには今後もこの寄席を支えていただきたいですし、俳優には、お客さんのあたたかさに甘えず、さらに上を目指して「語り」について研鑽を深めていってほしい。これを10年続ければ、何か見えてくるかもしれません。できることなら夏にも納涼寄席をやりたいところですがこれは検討中。来年はお正月に企画する予定ですよ!(youbun)