《参加者募集》短期研修プログラム「表現/社会/わたしをめぐる冒険」サイノツノ・アーティスト・イン・レジデンス
新型コロナウィルスが蔓延したこの数年の中で、犀の角は集まった近隣のNPOや個人と一緒に地域における助け合いと新しい繋がりをつくる試み「のきした」を通して「劇場」を捉え直してきました。
本プログラムは、次世代を中心的に担う世代(35歳以下)を対象として、劇場、美術館、音楽堂、映画館、福祉施設、医療施設、相談支援等の場において、独自の視点で作品創りやオルタナティブな場を生み出しているメンターたちと共に、コロナ後の世界を生きる新たな表現や価値観が創造され発信していくためのアイディアやその手段を見い出し、共に発明していこうとする場です。
また、研修最終日には公開シンポジウム「のきした首脳会議〜場/のき/表現/アートとその担い手をめぐる冒険〜」を行い、のきしたの人たちと共に地域の人たちと対話する時間も設けます。
受講生、メンター、地域の人たち同士が対話することで、それぞれの根源的な本質を問い直しながら、それぞれの場で育む地域を発展させていく種を探ります。どうぞ奮ってご応募下さい!
企画背景
2016年から演劇公演やライブなどの文化事業とスタジオ利用などの貸し館事業を主な事業として行ってきた犀の角は、コロナ禍により社会状況が大きく変化したことをきっかけに、雨風をしのげる場を街中につくろうという取り組み「のきした」を近隣のNPOや個人等とともに始動しました。関わるメンバーたち一人一人が首脳となり話し合う場「のきした首脳会議」を定期的に行い、課題やアイディアを持ち寄り、オリジナルの企画を運営してきました。現在、「やどかりハウス」「おふるまい」「時間銀行ひらく」「うえだイロイロ倶楽部」などの活動を行っています。
こうした「のきした」の活動を通じて、犀の角は劇場を芸術文化の専門施設としてだけではなく、地域社会に開かれた「出会い」や「助け合い」の場として捉え直しながら新たな劇場の在り方を模索してきました。
この研修プログラムは、未来の社会を生きていく私たちが表現の本質や在り方をどんな形で捉え、場を展開していくべきか、次世代を担う受講生と一緒に思考を巡らせていきます。
研修期間
2023年9月8日(金)〜10日(日)3日間
公開シンポジウム
「のきした首脳会議〜場/のき/表現/アートとその担い手をめぐる冒険〜」
地域で暮らすのきしたのメンバーたちも交えて、「のきした」の事例を紹介しながら、人が集まる場の必要性や既存の枠組みに縛られない在り方に向けた言語化を試みます。
開催日:9月10日(日)
会場:犀の角
※シンポジウムについての詳細は後日WEBページで公開いたします。
研修対象者
・35歳以下対象
・劇場、美術館、音楽堂、映画館、福祉施設、医療施設、相談支援等の場において、演劇、ダンス、美術、音楽、映画等の制作者・コーディネーター・プロデューサー・アートマネージャー・舞台技術者等として現場経験のある方、あるいは、今後それらを目指す方。
メンター
鈴木励滋(生活介護事業所カプカプ)
中村茜(株式会社precog代表・パフォーミングアーツプロデューサー)
羊屋白玉(アーティスト・ソーシャルワーカー)
直井恵(うえだ子どもシネマクラブ・草の根文化芸術コーディネーター)
野村政之(信州アーツカウンシル・ゼネラルコーディネーター)
原悟(NPO上田映劇・一般社団法人こども映画教室理事)
武捨和貴(NPO法人リベルテ代表理事)
元島生(NPO法人場作りネット副代表)
荒井洋文(犀の角代表)
⚪️U35枠
石山律(フリーランス・コーディネーター)
柴田聡子(制作者・アートマネージャー)
藤澤智徳(信州アーツカウンシル・コーディネーター)
伴朱音(穂の国とよはし芸術劇場PLAT・制作者)
前田斜め(劇団野らぼう・劇作家・演出家・俳優)
山極佳子(上田市立美術館・学芸員)
伊藤茶色(合同会社犀の角・照明・制作)
村上梓(合同会社犀の角・舞台・制作)
スケジュール
【オンライン事前ミーティング】
8月下旬に予定
【研修期間】
1日目 9月8日(金)
・自己紹介
・セッション① 「アラサー制作者たちと語る未来〜コロナ後の世界で、何を、どこで、誰と、どう創る?〜(仮)」
メンター:石山律、柴田聡子、伴朱音、藤澤智徳、前田斜め、山極佳子、伊藤茶色、村上梓
・みんなで囲む食事会
2日目 9月9日(土)
・街歩きA
・セッション② 「アート・福祉・インクルーシブの現在(仮)」
メンター:鈴木励滋×中村茜×武捨和貴
・みんなで囲む食事会
3日目 9月10日
・街歩きB
・公開シンポジウム 「のきした首脳会議〜場/のき/表現/アートとその担い手をめぐる冒険〜」
メンター:元島生、直井恵、原悟、武捨和貴、野村政之、羊屋白玉、荒井洋文
・参加者による成果発表
・懇親会
参加費
25,000円
※参加費には研修期間中の宿泊費が含まれます。(移動のための前泊・後泊分の宿泊費は別途自己負担となります。)
※自宅から会場までの往復交通費、食費などの滞在費は別途自己負担いただきます。
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募集人数
12名
応募方法
申し込みフォームに必要事項を入力の上、お申し込みください。
こちらからの返信メールをもって申し込みが完了となります。
申し込み後、1週間しても返信がない場合は、お手数ですがお電話にてお問い合わせください。
□お申し込みフォーム
https://forms.gle/zXN48NJA6W3U9MJt8
□申し込み必要事項(◎は必須事項です)
◎名前・ふりがな
・所属
◎連絡先(メールアドレス・電話番号・住所)
◎生年月日/年齢
◎活動略歴
◎応募動機
・活動資料(データ添付用)
・活動資料(共有リンク用)
・アレルギー/既往症
《募集期間》
7月1日(金)〜8月6日(日)
《結果通知》
一般社団法人シアター&アーツうえだにて選考の上、参加者を決定いたします。
選考の結果は、8月9日(水)までにメールにてご連絡いたします。
お問い合わせ
一般社団法人シアター&アーツうえだ
担当:伊藤
TEL:0268-71-5221
Mail:info@sainotsuno.org
プロフィール
鈴木励滋(生活介護事業所カプカプ所長・演劇ライター)
1973年3月群馬県高崎市生まれ。生活介護事業所「カプカプ」所長/演劇ライター。97年から現職を務め、演劇に関しては『ユリイカ』、『月刊ローソンチケット』、劇団ハイバイのツアーパンフレット、「東京芸術祭」のウェブサイトなどに書いている。「障害×アート」については『生きるための試行 エイブル・アートの実験』(フィルムアート社、2010年)、はじまりの美術館の記録集などへ寄稿。師匠の栗原彬(政治社会学)との対談が『ソーシャルアート 障害のある人とアートで社会を変える』(学芸出版社、2016年)に掲載された。
中村茜(株式会社precog代表・パフォーミングアーツプロデューサー)
1979年東京生まれ。日本大学芸術学部在籍中より舞台芸術に関わる。2004年〜2008年STスポット横 浜プログラムディレクターを経て、2006年株式会社precogの立ち上げに参画、2008年より同社代表取締役。2016〜2018年アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)のグランティとしてバンコクとニューヨークに滞在。現代演劇、コンテンポラリーダンスのアーティストやカンパニーの国内外の活動をプロデュースするとともに、サイトスペシフィックなフェスティバルや領域横断的な人材育成事業、動画作品をバリアフリーと多言語で配信する事業などを手掛ける。令和3年度(第72回)文化庁芸術選奨・文部科学大臣賞新人賞【芸術振興部門】受賞。現在、
羊屋白玉(アーティスト、ソーシャルワーカー)
セプテンバーイレブンのさなか、ニューヨークと東京をブロードバンドで繋いだ作品を機に、国内外の芸術祭に招聘され、人や物や街などの看取りや喪失、目に見えない境界など、演劇を通して生成している。「アジア女性舞台芸術会議(亜女会)」「北海道のアーティストの創作と労働環境を考える勉強会(HAUS)」メンバー。コロナ席巻の頃より、札幌市ホームレス相談支援の現場にてソーシャルワーカーとして取り組む。 ニューズウィーク日本誌で「世界が認めた日本人女性100人」に選ばれている。
直井恵(うえだ子どもシネマクラブ・草の根文化芸術コーディネーター)
長野県上田市出身。学生時代は国際開発/国際関係学を専攻、卒業後フィリピンで活動する国際協力NGOや環境系NPOで勤務。主に開発教育・国際理解教育・ESD持続可能な開発のための教育を専門とする。2007年より上田に戻り、世界各地に残る自然共生の暮らしや知恵を学び、多様な民族や文化を認め合える社会の実現に向けて、映画や音楽や祭り、文化で交流する市民企画を行う。2015年度より文科省のSGH/WWLの認定を受けた県立高校において、海外交流アドバイザーとして赴任。また2017年からはNPO法人上田映劇の理事として、100年の歴史を持つ映画館の再起動に関わる。現在は学校に行きづらい子どもたちの新たな居場所と学びの場として映画館を活用する「うえだ子どもシネマクラブ」、また、フィリピン・インドネシアと日本の青少年を対象とする環境問題をテーマにした演劇交流事業「民話と演劇FOLKTALES」事業等に関わる。
野村政之(信州アーツカウンシル・ゼネラルコーディネーター)
信州アーツカウンシル(一般財団法人長野県文化振興事業団)ゼネラルコーディネーター。舞台芸術の企画制作・創作現場と、文化行政・地域の芸術文化支援に並行して携わる。公共ホール、劇団青年団・こまばアゴラ劇場制作部、沖縄アーツカウンシル等を経て、2018年10月より、長野県県民文化部文化政策課文化振興コーディネーターとしてアーツカウンシル設立に関わり、22年4月より現職。演劇のドラマトゥルクとして、市原佐都子、神里雄大、柴幸男、松井周の作・演出作品などに参加。一般社団法人全国小劇場ネットワーク代表、NPO法人舞台芸術制作者オープンネットワーク理事。1978年長野県塩尻市生まれ、長野市在住。
原悟(NPO上田映劇・一般社団法人こども映画教室理事)
1979 年生まれ。長野県上田市出身。 2003年より「信州上田フィルムコミッション」で活動。『犬神家の一族』(’06/市川崑)、『サマーウォーズ』(’09/細田守)、『青天の 霹靂』(’14/劇団ひとり)、NHK大河ドラマ『真田丸』(’16)などを担当した。2017年に退職し、有志と立ち上げた「NPO法人 上田映劇」(長野・上田)にて、創業100年を超える劇場の再生に取り組みながら、これまでの経験を活かし、長野県域でのフィルムコミッション活動に従事しているほか、「こども映画教室」(東京・渋谷)を通じてこどもたちと映画の出合いをお手伝いしています。映画を“つくる”“届ける”“育てる”という3つの分野で活動しています。
武捨和貴(NPO法人リベルテ代表理事)
1982年生まれ。長野県上田市出身。NPOの名を「リベルテ」とうっかり名付けてしまったばっかりに、そこに集う人によって自由という矛盾を苗床にした多様なビオトープが形成され、自らも棲息する。NPO法人リベルテ代表理事。福祉事業スタジオライトと特定相談支援事業所路地の管理者。2021年から「路地の開き」という福祉施設と地域の境界線を曖昧にしていくプロジェクトを行っている。妻、子2人と猫と暮らしている。
元島生(NPO法人場作りネット副代表)
NPO法人場作りネット副理事長。父母会運営の学童保育所の専従職員としてケアの仕事を始める。子どもたちの現象を通して社会的排除に触れる中で、24時間365日空いている一軒家「コミュニティハウスひとのま」を仲間と共に開設。困り事に出会う日々となる。現在は各種相談支援事業を運営しながら、街を助かる場にするための活動「のきした」や雨風しのぐ宿「やどかりハウス」など社会的インフラ作りをコーディネートしたりされたりしている。
荒井洋文(犀の角代表)
上田市出身。(公財)静岡県舞台芸術センター制作部に所属後、上田市で文化事業団体 シアター&アーツうえだを発足。演劇を軸とした文化芸術活動のプロデュース等を行っている。2016年、空き店舗を活用して演劇等で使用できる劇場とゲストハウスを備えた民営文化施設「犀の角」を創設。様々な表現活動や地域住民・アーティストの交流の場として運営し、近年はアーティスト・イン・レジデンスに重点を置いた事業も展開。一般社団法人シアター&アーツうえだ代表理事。合同会社犀の角代表社員。上田市交流文化芸術センター協議委員。
⚪️U35枠
石山律(フリーランス・コーディネーター)
山梨県甲府市生まれ。2018年〜2023年7月までNPO法人アーツセンターあきたでプログラム・コーディネーター。秋田公立美術大学ギャラリーBIYONG POINTほかで、展覧会や公募事業の企画制作を行う。2021年からは秋田市文化創造館に異動し、広く市民を対象とした事業の企画制作や相談対応などを行う。現在は浜松に移り、認定NPO法人クリエイティブサポートレッツで文化事業と障害福祉サービス事業所の事務局見習い中。趣味は編み物と一人飲み。たとえどんな状態にあっても、誰もが良い感じに生きていくためにはどうしたらいいかな?ということを考えています。
柴田聡子(制作者・アートマネージャー)
1992年埼玉県出身。2016年多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻卒。
大学卒業後、公立中学校の美術科講師として勤務する傍ら、インターンとして舞台芸術の現場に関わる。2017年よりPARC – 国際舞台芸術交流センター職員として国際プラットフォーム事業や公演制作などに従事。2021年春に同センターを退職し、フリーランスのアートマネージャーとして活動を開始する。近年では中間アヤカ、余越保子などの公演制作を担当するほか、文化庁の補助事業を受託する事務局にて運営や精算業務などを担当。2018年より東京・水道橋のオルタナティブスペース「路地と人」の運営メンバー。
伴朱音(穂の国とよはし芸術劇場プラット・制作者)
1993年生まれ。長野県上田市出身。信州大学人文学部卒業。大学在学中より俳優、制作として活動をはじめる。フリーの制作、長野県内の公共ホールを経て2019年より愛知県豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場にて勤務。ダンス・レジデンス、高校生と創る演劇等の企画を担当する。
劇場での勤務のほか、若手ダンサーのファンディングアドバイザーや実家の喫茶店をつかった音楽イベントのオーガナイズ等領域にとらわれない活動を行う。
藤澤智徳(信州アーツカウンシル・コーディネーター)
1993年生まれ。長野県中野市出身。大学在学中よりNPO法人DANCE BOXが主催する「国内ダンス留学@神戸3期」制作者コースに参加。卒業後、株式会社梅田芸術劇場に入社。主に票券業務に従事。2019年に地元・長野県へUターンし、一般財団法人長野県文化振興事業団へ入団。長野県芸術監督団事業に従事し、串田和美監督事業『月夜のファウスト』(2019)、津村卓監督事業『NAGANO ORGANIC AIR』(2021)などを担当。2022年より現職。近年の参加作品として、中間アヤカ&コレオグラフィ『フリーウェイ・ダンス』(2019神戸/2020横浜・ドラマトゥルク)、木村玲奈ダンス作品『どこかで生まれて、どこかで暮らす。上田にて』(2022長野・プロデュース)などがある。
前田斜め(劇団野らぼう・劇作家・演出家・俳優)
松本市を中心に活動する”劇団野らぼう”で作・演出、役者として活動。自前のテント劇場での公演を目指し、現在は野外劇での表現を模索している。場所や条件に合わせた作品作りを基本としており、”脚本”や”劇場空間”ありきの創作ではなく、コンセプトから創作することを主としている。これまでに居酒屋を巡る”流し芝居”や、毎朝行う”駅前朝芝居”、説明がむづかしい”音声同期型サイレント朝芝居”、巨大人形を使った”移動型無言人形劇”、太陽光発電によって電力を賄う”ゼロカーボン演劇”などを創作。社会を演劇的に傍観しながら野外作品を創作しています。
P新人賞2020 グランプリ・観客賞受賞
第13回せんがわ演劇コンクール2023 グランプリ・劇作家賞受賞・演出家賞受賞
山極佳子(上田市立美術館・学芸員)
1992年生まれ。長野県上田市出身。
大学在学中に生涯学習施設の機能に興味を持ち、大学院で博物館学を学ぶ。論文テーマは山本鼎の農民美術運動。2018年上田市に入庁し、上田市立美術館に配属される。2023年『中村直人展 モニュメンタル/オリエンタル』担当。
伊藤茶色(合同会社犀の角・照明・制作)
1992年生まれ。上田市丸子町出身。専門学校を卒業しUターンした後、仲間と立ち上げた劇団モカイコZでの活動を経て、2017年より制作・照明スタッフとして犀の角に参加。長野県芸術監督団事業・串田和美監督事業『月夜のファウスト』(2019年)では照明、『そよ風と魔女たちとマクベスと』(2020年)では制作として関わる。近年は自身プロデュースの劇壇百羊箱での活動も行う。2021年、犀の角で始まった「うえだイロイロ倶楽部」ではコーディネーターとして参加。障害をもつメンバーと表現活動をするリベルテにもスタッフとして関わる。
のきしたの活動を通じて演劇を再認識する中、自宅を地域にひらく住み開き計画も思案中。
村上梓(合同会社犀の角・舞台・制作)
1992年神奈川県生まれ。桜美林大学演劇専修卒業。東京でオペラやバレエなどの舞台監督助手として活動していたが、2021年長野県上田市に拠点を移す。民間の劇場施設である犀の角にて舞台監督や制作として公演に関わりながら、「うえだイロイロ倶楽部」の事務局を担当。2021年から始まった「NAGANO ORGANIC AIR」ではアシスタントコーディネーターも務める。
「地に足つけて、文化を生業として生きる」ことを模索中。
イラスト:小松順子
主催:一般社団法人シアター&アーツうえだ
協力:のきした
支援:信州アーツカウンシル(一般財団法人⻑野県文化振興事業団)
令和5年度文化庁文化芸術創造拠点形成事業